COLUMN
空室が埋まらない一棟ビル。
募集条件を下げる前に見直す3つの視点
賃料を下げるのは、いちばん簡単で、いちばん戻しにくい手段です。その前に確認しておきたいことがあります。
半年埋まらない。1年埋まらない。そうなると、まず賃料を下げようという話になります。ただ、下げた賃料はなかなか元に戻りません。その前に見ておきたいことが3つあります。
1. 埋まらない理由は「条件」ではなく「状態」かもしれない
内見には来るのに決まらない。この場合、原因は賃料ではないことが多いです。エントランスが暗い、共用部の床が傷んでいる、給湯室やトイレが当時のまま。借りる側は、そこで働く自分たちを想像できるかどうかで決めています。
賃料を1割下げると、収入は毎月ずっと1割減ります。一方、共用部とトイレを直すのは一度きりの支出です。どちらが得かは、残りの保有年数で計算できます。まず計算してみることをおすすめします。
2. 借りたい人が、変わっているかもしれない
オフィスとして募集しているから埋まらないだけで、別の用途なら借り手がいる、というケースがあります。都心の中小規模ビルでは、宿泊・店舗・クリニック・スクールなど、事務所以外の引き合いが動いています。
用途を変えるとなると建築基準法や消防法の確認が必要になりますが、それは「できない理由」ではなく「確認すべき順番」です。詳しくはこちらの記事にまとめました。

3. 下げた賃料は、売るときにも効いてくる
収益物件の価格は、基本的に賃料から逆算されます。つまり賃料を下げることは、毎月の収入が減るだけでなく、売却するときの評価も下げるということです。
逆に、手を入れて賃料を維持できれば、資産としての評価も保てます。改修費をコストと見るか投資と見るかで、判断は変わってきます。
では、どう判断するか
私たちがご相談を受けたときは、次の順番で見ています。
- いま埋まらない理由は何か(現地を見て判断します)
- 直すとしたら、どこにいくらかかるか
- 直したあと、いくらで貸せそうか
- 賃料を下げた場合と比べて、どちらが残るか
この4つが並ぶと、たいていその場で方向が決まります。工事をするかどうかは、そのあとの話です。
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